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2006年2月20日 (月)

「禁じられた遊び」Jeux Interdits

おなじみルネ・クレマン監督の映画。ちょうどBS11で放映されたところです。
しかし、通して見たのは何と初めて(それもはじめの5分はずした…)。
あの、あまりにも有名なナルシソ・イエペスのギターの調べに乗って、モノクロのひなびたシーンが心地よく流れていきました。

パリの少女ポーレットPaulette(ブリジット・フォッセーBrigitte Fossey)の、演技していると思えない程の演技ぶりにはつい引き込まれてしまいました。
彼女の顔、フィリッポ・リッピが描く聖母の幼き姿、というイメージにぴったりです。
その聖母(もどき)がミシェルMichel(ジョルジュ・プージュリーGeorge s Poujouly)の十字架集めに一役買っている、と考えるとおやおや、という感じではあるのですが。

無邪気ながらも危険な遊び、共通の秘密を持って生まれた友情(ほのかな恋)も、もろくも大人たちによって引き裂かれてしまいます。
ミシェルには「大人は裏切り者」という苦さ、やるせなさを植え付け、ポーレットには雑踏の中での孤独を与えて。

単音だけがつらなるギターのメロディーが、「人間はそれでも一人で生きていく」と背後で語っているようでした。

「こいつは100年生きた」というフクロウに「あと100年持ってろ」と、ミシェルがポーレットのネックレスを託した直後に、小屋の外ではポーレットを連れ去った車が上げた砂埃が立ち上ります。はっとするミシェル。

一方のポーレットは、連れてこられた場所で、名札(自分の名字ではなくミシェルの家族の名字でポーレット・「ドレ」と)を首に下げ、じっとしている。しかし、ミシェルを呼ぶ声をふいに耳にし、彼の姿を見つけようと首を伸ばすがその先には大人のカップルが抱き合っているだけ。
涙目になりながら、「ミシェル、ミシェル!」と叫び続け、ポーレットはついに人ごみの中をやみくもに走り出していってしまいます。

無邪気さ、田舎の素朴(&粗野)な人間たちのユーモア・悲哀もちりばめられた、珠玉のような作品でした。
そして私はギタ−と動物たちに、助演賞(これは女優も男優も有り、でしょう)を贈りたい。

死も別れも突然やってくる。それでもまた新しい出会いがあり、再び別れがやってくる。
そんな出来事が繰り返す人生のいとおしさをルネ・クレマン監督は温かく描き出しています。

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