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2006年2月 6日 (月)

イタリアで出会った日本の詩

イタリアの街角で出会った、というのではなく、イタリアへ持っていった数多くの文庫本の中に萩原朔太郎の詩集があった、ということですが。私にとっては出会いだった、といえます。

まだ手に取った事もない(読もうと考えた事もなかったような)文庫本をしこたま出発前に買い込み、その中にこの岩波文庫の一冊がありました。

詩は、口に出して詠んで初めてその美しさが伝わるものも多いと思いますが、以下の一編はローマで一度黙読しただけで強く心に残ったものです。
あまりに気に入ったので、まずい字だろうがおかまいなく小豆をごく薄くしたような色の和紙に筆ペンで書き写し、アパートの壁に貼って時折ぼーっと眺めながら、この瑞々しい感覚を味わっていました。

帰国の際イタリアへ置いてきてしまったので文庫本は手元にないのですが、ウェブで探し出したので以下にご紹介します。
(まだ5月にはほど遠いですが先取り、ということで。)
好きだったのに、岩波文庫版がこの通りだったかは定かではない…という記憶のおぼつかなさが情けない限りですが、ご勘弁を。

掌上の種     萩原朔太郎

われは手のうへに土を盛り、
土のうへに種をまく、
いま白きぢようろもて土に水をそそぎしに、
水はせんせんとふりそそぎ、
土のつめたさはたなごころの上にぞしむ。
ああ、とほく五月の窓をおしひらきて、
われは手を日光のほとりにさしのべしが、
さわやかなる風景の中にしあれば、
皮膚はかぐわしくぬくもりきたり、
手のうへの種はいとほしげにも呼吸(いき)づけり。

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