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2006年3月12日 (日)

今日の強風にちなみ「風」のことば

いや、昨日とは打って変わってものすごい風が吹いてます。
風が吹いてもなんのその、家にこもって日曜日であろうが何であろうが翻訳修行(!?)の日々は続きます。

それにしても風で外がうるさいので気もそぞろに…。
そぞろついでにイタリア語の「風」にちなむ慣用句を小学館の伊和中辞典で調べてみました。
ちなみに風はイタリア語でヴェントventoです。
そういえば、昨日は映画「風とともに去りぬ」を放送していましたね。イタリア語だと「Via col vento」(=via con il vento)となります。

では、慣用句。どんなものがあるでしょうか。

E' come parlare al vento!
風に向かって話すようなものだ、どうせ聞いてはくれない

essere pieno di vento
空威張りしている

gridare a tutti i venti
(情報などを)四方八方にまき散らす、言いふらす

parlare al vento
(相手がよく聞きもしないのに)無駄に話をする

voltarsi a tutti i venti
日和見主義者である、どんな風にもなびいてしまう

…と、実体のないような風にちなんであまり肯定的な使い方はありませんね。

日本人にもわかりやすい言い回しとしては、
Qual buon vento ti porta?
これは珍しい、よく来たね。

いってみれば「どういう風の吹き回しだい?」ですね。
もちろん、他にも「風」そのものを指した慣用句もたくさんありますが、風のイメージがどうとらえられているかを示す意味で、以上のものをちょっと並べてみました。

では、広辞苑では?(手元にあるのはSEIKOの電子辞書です…)
「風枝を鳴らさず」「風薫る」「風が吹けば桶屋が儲かる」「風冴ゆる」「風死す」「風に櫛(くしけず)り雨に沐(かみあら)う」「風に順(したが)いて呼ぶ」「風に付く」「風に靡(なび)く草」「風に柳」「風の吹きまわし」「風の前の塵」「風破窓(はそう)を射る」「風は吹けども山は動かず」「風光る」「風を切る」「風を食らう」「風を吸い露を飲む」「風を掴む」「風を結ぶ」

…必ずしもネガティブな意味とは限らず、というところでしょうか。いずれにせよ、言葉そのものに「風流」が漂うのはさすが日本人らしい自然感覚。自然と一体になった感覚、というのか。
こうやって「風」ひとつをとって並べただけでも、あらためて日本語の美しさにはっとしてしまいます。

翻訳を手がけるにも、外国語の読解力があるだけではどうにもなりません。
的確な日本語を駆使してこそ、違和感のない文章ができあがる。
今、ちまたでは「日本語の崩壊」が何かと話題になっていますが、日本人自身が日本語を体と同じように操れていないように思います(それは自分も含めてですが)。
確かに、言葉は変わる。
だとしても、こんなにも日々言葉が崩れていく国は、他には見られないのではないでしょうか。

活字が横行する現代こそ、たまには辞書の1ページをじっくり見つめてみるのもいいかもしれません。
きっと、驚くような発見があることでしょう。

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