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2006年4月22日 (土)

呼吸法は健康と生き方そのものの鍵

イタリア暮らしの頃の数年前のある時期、とある苦しさから逃れたい一心から、日本から持ってきた鈴木大拙の一冊をふと思い出し、さらにすがる思いで禅の本を何冊か手にしたことがありました。
(鈴木大拙の著作はイタリア語訳も出ており、それも読んだり。)
その時出会ったさまざまな言葉は、私自身の生き方の理想となっていきました。
そして何より、禅とは言葉ではなく実践の中にあります。
当時、自己流ではありながら座禅も組み始めたのですが、その効果には正直驚きました。
楽器を吹くことで呼吸を意識することが多かった私でも、何もせず「ただ呼吸をする」ことの大切さをそれまで本当には知らなかったのです。

座禅は続けていくと、その効果が座禅を組んでいない時にも持続するようになります。
呼吸器系が自然にゆったり開いた体勢に入り、空気が無理なく体の中にたくさん入っていく。体の中に吸い込まれた酸素は肺だけではなく体の隅々にまで送られることが実感できるようで、呼吸する事そのものが体にとって素晴らしく気持ちよいのです。
心が苦しかった経験からこの呼吸法(丹田式呼吸)を実践する機会を得られたことは、ラッキーだったかもしれません。

一度は、風邪をひきそうになって気管支が心もとなかった時、薬を飲まずに座禅で呼吸を整えたことがありました。
それだけで、翌日には体調がよくなっておりまたびっくり。

生き物は、呼吸しなければ生きていけません。
呼吸は生きている限り意識せず続けるものではあるのですが、もしもその大切さが本当にわかったら、何にも増して活用すべきものなのでしょう。

今は座禅も丹田式呼吸も行わなくなって久しいのですが、昨日別の目的で本屋へ行ったら西野皓三氏の「呼吸力を鍛える」(PHP研究所)が目に入りました。
立ち読みして結局買い求めてしまいましたが、自分自身の経験からもなるほどと納得できる話がいくつも出ており、びっくりする事も書かれていたのでその点に関しては真偽のほどは…とも思ったため、それはさておき共感できる点についてひとまず簡単にご紹介します。

西野氏は、生命エネルギーがどこから生まれるのかを知りたくて医学やバレエの次には中国拳法も合気道も修得し、独自の生命エネルギー活性化の方法を編み出しました。
呼吸法によって人間が持つ全細胞60兆個の再生を活発化させる事ができる、といいます。
正しい呼吸は、細胞ひとつひとつに必要不可欠な酸素を行き渡らせることができる。
全細胞が活発化すると、体が何かをするために動きたくて仕方なくなり、動くと細胞が、身体が喜ぶ。
全細胞がパワーを全開したら、生命エネルギーが周囲の人にまで波及していき、その人までわくわくさせてしまう。

この呼吸法を続けた人たちは、細胞が活性化して骨密度が高齢でも20代レベルにまで上がったり、お酒に強くなったり、視力が上がったり頭の回転が早くなったりひらめきがよくなったり、仕事に成功したりとさまざまな効果を得たようです。

今、現代人は脳ばかりを意識しすぎている。
でも、身体の中に占める脳の割合は、どのくらいでしょう。
実は、脳は腸から生まれたそうです。
人間の体は腸管内蔵系で形成されており、発生の過程で初めに腸管がつくられ、それが変化してさまざまな臓器になり、進化してきました。
腸の回りにニューロンが散らばっているだけのヒドラには脳がありませんが、動物がヒル、ミミズなどに進化するにつれ、食道のまわりにニューロンが密集する神経節があらわれ、大きくなってくる。この神経節がさらに上方にと追加されて大きくなったのが脳。いってみれば、ヒドラの腸をつつむニューロンが、口の回りで集合をはじめ、食道の周りに神経節をつくることによって脳が発達してきた、ということになります。
(詳しくは藤田恒夫『腸は考える』岩波書店を参照)

したがって腸管内蔵系では、脳は腸の子供という関係になる。
その腸は当然、細胞からできている。
腸から脳ができたのだから、心の原点は腸にある。
自己を守り、生きるために「動く」事(腸が動かなければ大変なことになりますね)が心の源泉としてあったのです。
脳が腸から生まれた事がわかると、心の原点としての腸があり、さらに腸のニューロンから発展し、人生を考える器官として発達した頭脳がつくり出す精神がある。この心と精神の二つが渾然と混じり合っていることで、人間を形成していることに気づきます。
この二つを明らかに体感できるようにすることが、西野氏の根本原理でもあるようです。

人間の体の全細胞は、2年半から約3年で全て入れ替わるそうです。
この代謝がいつまでも活発に行われれば、人間はもともと125年から150年生きられる存在だとか。
人間は、生まれたときはやわらかい赤ちゃんですが、老いるにつれ体がだんだん硬直していき、柔軟性がなくなっていきます。
しまいには、完全に硬直した「死」を迎えます。
もしも細胞がいつまでも生き生きと再生し続ければ、身体(そして身体の一部としての脳)もいつまでも柔軟であり続けるのです。

健康といえば、何何を食べるといい、何々はほどほどに、と栄養面ばかりが強調されがちな今の時代。
でも、本当は呼吸があまりにもなおざりにされすぎているのかもしれません。
事実、呼吸法を体系的におしえる、ということは、呼吸そのものが当たり前すぎてほとんど行われていません。
それでも、ここ数年座禅やヨガが、「癒し」ツールとして蘇ってきているようですが。
多くの人たちが実践している太極拳も気功もヨガも、みな呼吸法が根本を成しています。
それらもまた、長い年月を経て細胞の活性化を会得する方法という身体体験が練り上げられ、体系化されたものです。
呼吸は、それらの動きにパワーを与える源泉です。
というより、体が求める呼吸法を極めていったらそれぞれの動きが体系化されていった、というのが真実かもしれません。

折しも今は生命エネルギーにあふれた春。
まずは身体をゆったりとして深呼吸しながら、呼吸ができることの素晴らしさをじっくり味わってみるのはいかがでしょう。
意識しながら(でも力まず)繰り返し呼吸しているうちに、何かがふつふつと身体の内側から湧き出てくる、あるいは穏やかさの妙を味わえることと思います。

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