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2006年8月 3日 (木)

プライスコレクション・若冲と江戸絵画展

8月4日まで有効の招待券があったので、プライスコレクションThe Price Collection-Jakuchu&The Age of Imagination(東京国立博物館・平成館)を観に行ってきました。
昨日ちょうど「行こう!」と決めた数時間後、朝日新聞の夕刊を見てガックリ。
高階秀爾先生寄稿の紹介記事が出てしまったのでした。
その翌日ということで人出が心配…でしたが、閉館1時間ちょっと前(4時前)に行ったら幸いにもすし詰め状態は避けられたというところ。

自分がいい、と感じた物だけを集めたというプライス氏—とはいえ、この方の並々ならぬ審美眼には目を見張るものがありました。
もっとも、鑑賞しはじめたら絵画そのものに魅入ってしまい、誰が集めたかということも全く忘れていましたが。

若冲の墨の使い分け方・形の捉え方の巧みさにみられる個性、江戸時代の群衆図屏風の楽しさと歴史、長沢芦雪の力強さ、円山応挙の流麗等々…独特な切り口から見た華麗な江戸美術史絵巻を見る思いでした。
個人的には、この間の日曜日に小田原提灯祭りへたまたま出くわし、イタリアの親友に手作り提灯をつくってみようか—と思い立ち、久しぶりに絵筆をとって紫陽花を描いたばかり。展覧会では若冲の他にも何点か紫陽花が描かれている作品があり、思わずいろいろ比較してへええ、と感心してみたり。ほんと、人によって全く描き方が違う。面白い。
ほか、鷲の図は表装がまた筆遣いにぴったりで、実にめりはりがきいていて気に入りました。
そういえば表装にまで草花や蝶を描き込んだ作品もありましたね。

最後、光の当て方を変えながら絵を眺める展示室は目が疲れましたが、同じ作品が光の具合でとても違う表情を見せることがよくわかるようになっています。
高階先生のおっしゃるように、実際には「自然光で見る」というのは、畳に当たった光が反射して、奥まったところにある絵の下をぼうっと明るくする…といったような微妙な光の演出があるわけですが、短時間でいろいろ経験できるという点では興味深く楽しみました。

イタリアもモザイクがある教会といえば、たいていは窓が小さい。
本来はその小さい隙間から入り込む光線と、ろうそくが放つ控えめな暖かい色の光だけでモザイクのいびつな表面が照らし出されあるいは沈み込み、金はきらきらと光り…という光景を、信者は昔々ありがたく眺めていたのでしょう。
そこに光があることの尊さを感じ取っていた時代から、コインを入れて色気もなく何もかもライトで照らし出される現代へと時は流れていった。あるいはコインなしでも四六時中、聖母マリアもキリストも羊も、きらびやかな衣装(毛)をまとって目をぎょろつかせながらこちらを見おろしている。
それも美しいのですが…この世の神秘的な美しさ、というのはおそらく、暗闇の中にぼうっと照らし出される美しさであったのだろうと感じます。
フレスコ画もしかり。
なぜ、あのようにビビッドな色彩を駆使して画家たちは教会を飾り立てたのか?
ごくわずかな太陽光線とろうそく・松明だけの時代があったことは無視できません。
屏風の金箔もしかり。
そこでまた思い出すのは谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」—とやっていたらきりがないのでやめよう。

最後の展示室にあった簗(やな)の屏風も印象に残りました。簗ってああやって魚をとるのか、と恥ずかしながら初めて知りました。
今回のコレクション展で一番「欲しい」と思った作品でしょうか(そんなの無理ですが)。

満足してちょうど5時に観終わり、平成館を出て目に飛び込んできた草木の緑と雀。
なんだか展覧会の続きを見ているようでした。
夕暮れちかくの太陽に照らされた本物の草木の緑に、ぴょんぴょん跳ぶ雀が一羽。
自然の造形の美しさに、あらためてありがたい気持ちになりました。

あの世ではなくこの世に、目の前に美が存在する。それを確認させられるような展覧会だったのかもしれません。

若冲と江戸絵画展公式サイト↓
http://www.jakuchu.jp/

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