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2006年11月14日 (火)

チャップリンの母の言葉

チャップリンが幼少の頃育った地区は、ロンドンの中でも最も貧しい地区だったといいます。
小石を口の中で転がしながら、唾液を出す事で飢えを凌ぐようなすさまじさの中、彼は色々な人たちの生き様を目にしてきました。チャップリン特有のパントマイムもその生活から生まれます。
女優だった母のハンナは舞台でのどをつぶしてしまい、以来ロンドンの街中で物乞いをして息子二人となんとか生き延びます。
女優時代の演技で、貧しくても食卓をにぎやかにし、家族を楽しませながら。
その母がいつも必ず子供たちにきかせていた言葉があります。
 
「貧しい身なりをしていても、上品でありなさい。」

その言葉を発し続けた母も、やがて精神病に冒されてしまいます。

「父を語るとき、『完璧主義者』という言葉が欠かせません」とは、チャップリンの娘のことば。
笑いの徹底的追及。
「私は悲劇を愛する。悲劇の底には何か美しいものがあるから。」
笑いと悲しみが常に隣り合わせとなるチャップリン映画。
短い映画の数々には、ぎゅっと濃縮し尽くされた人生の味わいが込められています。

チャップリンは素晴らしい作品を残し、ついには「サー」の称号を授けられます。
クリスマスの朝に亡くなったチャップリン。
ヒトラーと同年同月に生まれたチャップリン。

「貧しい身なりをしていても、上品でありなさい。」
美しい身なりをしていても下品な者たちが闊歩する世の中、貧しい身なりだった幼年期から美しい身なりができるようになった後半生においても、チャップリンはいつも上品な笑顔を絶やさない、美しくまた強い人であり続けました。

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コメント

はじめまして、こんばんは!
「チャップリン」で検索して来ました。

社会風刺も鋭くメッセージ性の高い彼の素晴らしい作品の数々は、喜劇というジャンルではとてもくくることが出来ませんね。
まさに天才です!
私も今回、「街の灯」を記事にしました、よかったら一度いらして下さいませ~ではまた!

おはようございます。コメントありがとうございます☆
私もまだまだ知らないチャップリンの映画は多く、いつか少しずつ観て行きたいと思っています。
確かに、喜劇というジャンルでは全くくくれないほど深い世界ですね。
チャップリンの人間としての懐の深さにとても共感を覚えます。
先ほどブログだけ確認させていただきましたが、またゆっくりお邪魔しますね!

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