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2006年12月25日 (月)

歩く。

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歩く。ただ歩く。
何も持たず、何も考えずに前へ進む。
ちょっと脇へそれ、何の変哲も無い草むらに入ってみる。
草を踏みしめ、忘れていた香気がふうっと鼻をくすぐる。
なつかしい。どこで嗅いだのだろう。
魂だけが過去へ戻ろうとして、今の自分を置き去りにしていく。

・・・進もう。
アスファルトに戻る。
気の遠くなるような太古の生物が堆積して、我らが人間の足に代わりエネルギーを生み出している。
堆積物から発するエネルギーを糧とし回転する四つ足が、すぐ脇で死体の臭気を絶えずまき散らしては去っていく。
地中深くにずっくりと堆積していた無数の死体は、我々の手から汲み上げ尽くされんとし、地上で燃やされるのだ。
そっとしておけばよかったのかもしれない。
今、我々は絶えず死の臭気を嗅いでいるのだ。
地上と地中の位置関係を撹乱し、今我々は、どこかに進もうとしている。

薪の煙が鼻に届く。
同じ生き物が燃やされる。
一方は我々も存在しなかった遠い過去の、もう一方は今も育ちうる生き物の。
この香りの違いは何にあるのだろう。

歩き、立ち止まる。
夕闇も消え鈍く沈む青空を、こちらもまた気の遠くなるような時間を費やしてつくりあげられた山々が、心地よい線を描いて切り取っている。
重なる山々の境目に、うっすらと空気の存在が読み取れる。
あの山々から、今を生きる生物たちの呼吸の産物が、我々のもとに届くのだ。
死体をさらに酷使し舞い上がる臭気と、生きものたちが我々に与える命の空気。

山を浸食していく我らが住処。
なぜ、我々はこんなにも地上に増幅していったのか。

再び歩き、坂を下る。
全ての風景と感覚が、消える。

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