「ワイド!スクランブル」山本晋也氏の日馬富士インタビュー
先週に放送された日馬富士関連のテレビ番組を全部見尽くしたわけでは全くないので、本日お昼頃にテレビ朝日で放送された山本晋也監督のインタビューコーナーは、その意味でもとても興味深く拝見した次第。
監督がインタビューに訪れたのは、横綱昇進伝達式の6時間後の伊勢ヶ濱部屋。
伝達式後、先陣を切っての独占インタビューだったようです。で、監督・・・
ちっちゃいっ
「小兵力士」と言われるハルさまでさえ、監督と並べばこのボリューム感(笑)
尤も、小兵とはいえ133kgですからね・・・
以下、自分が特に興味を持った言葉のみピックアップ。他は方々で必ずといっていいほど紹介されている内容だったので省略します。
(※すでに色々ご存じの方には全く目新しさはないかもしれません。その点はご了承ください。)2001年1月、初土俵。当時の体重80kg。
山「その頃は痩せていて話にならないくらい、”かわいがられていた”ばっかりの時代でしょ?」
日「はい、そうです。毎日命をかけてかわいがってもらっていました(笑)」
山「なかでも朝青龍には本当に死ぬんじゃないかと思うぐらいかわいがられたらしいですね」
日「そうですね…もう本当毎日泣きながら…まぁそれがあればこそ今があるので本当に今は感謝、感謝です」2009年6月。山本監督は日馬富士が大関昇進を決定づける年に伊勢ヶ濱部屋の朝稽古見学に。
軽量力士のハンデを激しい稽古量で補おうとしていた日馬富士。普段こなす番数は50~60番が当たり前。
(懐かしい安荘富士の姿が・・・><)九月場所千秋楽の一番を振り返る。(※個人的にはここが一番興味深かった)
VTRを見ながら。
・立合いから即白鵬の右下手が入ったのを見て:
山「この時は不利ですよね?」
日「そうですね、これだけでももう『あっ!もう…』と思いましたね」
山「ちょっとヤバイと思ったでしょ?」
日「はい」
山「で次、(日馬富士が)左下手で…」(※巻き替え場面)
日「これももうヤバイと思いましたね」
山「これでもまだヤバイ!?」
・右上手を取った白鵬が寄って日馬富士を投げに行こうとする。こらえる日馬富士。両者動きが止まる。
日「これでもう後は『残そう、残そう』と思いましたね。僕はまだ負けてもあと一番あったので『ちょっと今回はダメだな』と思いながら」
・日馬が白鵬の首あたりに頭をつけつつ、下手に力を入れている場面。
日「この時が一番力が出ているところです」
・こらえていた白鵬、左足で日馬の右脚を飛ばそうとする。こらえる日馬。
日「今、投げには入れなかったけど、力を全部絞って投げを打ってるつもりなんですよね」(※そうは全く見えないほど、白鵬がどっしりこらえている。が、徐々に白鵬の上体が上がり気味に。白鵬、頭の位置を替える)
日「だけど相手には全然伝わらなかったですけどね・・・それまで力を出していたから、もう息が上がっちゃうんですよね」(※ここで白鵬が右上手投げを打とうとするが、白鵬の胸に頭を付けて日馬こらえる)
「で、横綱の胸の下だから重いので・・・とにかく我慢・我慢しかなかったですね」
・白鵬、左手で日馬の右手を使えないように抑える。
山「で、横綱も相当息が上がっているってことがここで分かるんですよね?」
日「あ~、僕自身は分からなかったです」
山「分からなかった」
・日馬、下手つかんだまままま寄って白鵬を西の土俵際へ追いつめる。寄りながらもろ差しになりガブリ寄り。膝を折ってこらえる白鵬。
山「ここ!」
日「これで『勝った!』と思ったら残したから『もうダメだ!もう何でやねん!』と思ってもう…」
山「ハハハハハ!」
・すかさず東側の土俵際に右下手投げで白鵬を持っていき、押し込んだところで即左に体を開きながら同じ右下手で白鵬を前につんのめらせようとする日馬。ケンケンのシーン。
日「『嘘やろ!?』って声を・・・ここには映ってないけど、一瞬声を出したんですよ。『あー!あー!あ~~~~』って声を出してるんです」
・ようやく下手投げで白鵬を下し、土俵に額を付けるシーン。
日「『やった!勝った!!』ってすごく体が震えているし、土俵の神様ってありますので、無意識に自分の頭を(土俵に)付けて『ありがとうございます、ありがとうございます』しかなかったです」小兵力士ゆえの横綱白鵬を倒す秘策とは?(※これもなるほど、と・・・)
日「横綱(白鵬)はやっぱり体が僕よりも大きいし、足腰がものすごく強いので、後ろに下がっても後ろに倒れることはまず無いですね。だから、横綱に勝つには前に倒すしかない」
「ここ(ひざ上)を押すだけで、人は体が勝手に反応して前に歩くことができないんです」
「僕はやっぱり体がまだできていないので、相手のバランスを見て『ここをこうしたら足をこう』とか、そう考えてやっています」
山「なるほど、なるほどねえ~~!!!」
頭を使っての相撲で、軽量力士の弱みを克服。もうひとつの強さとは?
日「子供が生まれてからやっぱり父親としての責任、一日に対する努力が変わった気がします」
(※泣き顔のぷくぷくヒシゲジャルガルちゃんをあやそうとする長女のニャムジャラガルちゃん・・・二人とも最高に可愛い~~~)
「今まで自分のことしか考えてなかったので、これからは自分の家族のために頑張っていかなきゃいけない」
山「そうだよねえ」さらに来日前、今は亡き父ダワーニャムさんが語った言葉も、横綱昇進への原動力になった。
山「モンゴルの言葉で、どんな雰囲気で言われたんですか?」
日「そうですね・・・(モンゴル語で)『男は夢を持って、毎朝起きたら、その夢に向かって生きていくのが男の幸せなんだよ』--と言われました」
山「それは真面目な顔で?それとも笑顔だったんですか?」
日「そうですね。笑顔で・・・でも優しい顔で、はい・・・『まだ意味は分からないだろうな』っていうね。僕もその当時はわからなかったし」
山「(意味が)わかったのはいつですか?」
日「そうですね・・・大関になってからじゃないですかね」
山「なるほどなあ」もうひとつハルさまを支えたのは趣味の油絵。3年前の取材で披露したのはモンゴルの風景画。
大関昇進後はもっぱら富士山を描き続けている。
「この絵を描いた時はちょっと怪我をしていてね。自分の心がちょっと弱くなりかけていたんです。その時、自分の心を強くするためにこの濃い色を出してみて・・・本当にその時の心の表れだなと思います」
「やっぱり大きい目標を持って相撲だけを考えると周りが何も見えないので、自分の好きなこと、絵を描いたり本を読んだり・・・自分で自分の心をもっと明るく、そして柔らかくするのは必要だなと僕は思いますね」
相撲のことだけを考えるのではなく、心にゆとりを持たせることも大切だという日馬富士。そもそも”力士”という仕事については?
山「力士という仕事は何だと思われます?」
日「力士はやっぱり・・・ボランティア、ですね」「それは本当に”人を喜ばせる”ために、”人を楽しませる”ために・・・時に人に希望も与えられれば勇気も与えられるし、感動も与えることができるし・・・人のために尽くしていくのが力士なのかな、と思います」来場所の九州場所。16場所ぶりに東西横綱の対決が実現する。
山「これからライバルはやっぱり横綱白鵬ですよね?」
日「これからは自分自身がライバルです」
山「自分と!」
日「・・・はい」
このVの後、「お詫びがあります」というので「体重132kg」の訂正かと思いきや。Vの中で違うコーナーのタイトルと音が流れてしまった、とのお詫びでした
その後、山本監督はスタジオのコメンテーターたちと一緒に感想を。「情熱大陸」のエピソードが次々と(笑)
力は神様から借りているだけ、時が来たらまた神様にお返しする。相撲は愛情では強くなれない。怪我は友だち。そして監督、ハルさまへインタビューに行く前に「大鵬親方」にいろいろ聞いたそうです。ハルさまに向けられた大横綱のメッセージとは:
「巡業でどんな下っ端の人でもどんな人でも何十番でも胸を貸してやれ。これを必ずやれ」
ハルさま、いつになく雄弁だったなあ・・・スラスラ話が出てきていました。
山本監督、私からもごっちゃんです
それから、今日は同じ伊勢ヶ濱部屋の安美錦関のお誕生日ですね!34歳になってもまだ「相撲が進化している」と言うアミさまこれはもう、まだまだ大活躍してくださるということですね
アミさま、おめでとう~~~
九州場所も楽しみだ
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