ドキュメンタリー映画「辛抱」

大島親方　最後の稽古に涙…力士は１７日から友綱部屋へ

（スポニチより）
今月２５日に日本相撲協会の定年となる６５歳を迎える大島親方（元大関・旭国）が１６日、東京都墨田区の大島部屋で最後の指導を行った。
　親方の出身地・北海道旭川市の後援者ら約３０人が見守る中で、期待の十両・旭秀鵬には「自分の型をつくらないと勝てない」、同じ旭川出身の幕下・旭大星には「おまえの稽古を見るために皆が来てくれたのだからしっかりやれ」と普段通りに愛情たっぷりの厳しい言葉を送った。
　大島部屋はこの日限りで閉鎖され、力士は１７日から移籍先の友綱部屋で稽古をする予定。最後の指導を終え、大島親方は３２年の長い歳月を過ごした土俵を見つめ、一人涙を流した。そこに偶然風呂から上がった旭秀鵬と旭大星が現れ、師匠の姿を見てもらい泣き。横綱・旭富士ら１０人の関取を育てた名伯楽は「子供と同じ。それ以上にかわいかった」と表現する愛弟子に対し、声を振り絞りながら「がんばれよ…」と最後のエールを送り、土俵に別れを告げた。
[ 2012年4月17日 06:00 ]

・・・いきなり今年4月の記事からですみませんでも前置きもあったほうがいいかな、と。

フランス人女性監督、ジル・クロン（Jill Coulon）氏によるドキュメンタリー映画「A NORMAL LIFE～Chronicle of a sumo wrestler 」。

邦題「辛抱」ですが、噂だけ聞いていてやっと一部（といっても83分）見ることができました。
本来は109分の映画ということなので、ぜひまたどこかで全てを見るチャンスがあれば・・・と願っております。

これは、現役の幕下力士である旭大星さんが、大島部屋に入門してからの半年間を追うドキュメンタリー。

高校卒業後は柔道の道に進みたいという自らの意志とは裏腹に、周囲のすすめから相撲部屋に入門することになった大串拓也（旭大星さんの本名）くん。
戸惑いながらも「柔道でも3年辛抱してやっと強くなれた」ことを自分に言い聞かせながら、来る日も来るる日も稽古と雑事をこなす毎日を送ります。そして・・・・・・・私が見た限りでは相撲部屋から逃走したところで終わってるのですが、実際のエンディングはどうだったのでしょうか？(笑)

ちなみに旭大星さん、これまでの戦歴を見る限りでは、今の今まで休場はしておりませんｗまだ線は細いながらも、少しずつ番付を上げてきてもおります。
そして、今はテンホーさまの付け人を立派につとめられております
五月場所で平幕優勝したテンホーさまが花道を下がっていく時も、顔をくしゃくしゃにした旭大星さんの姿が見えました。

・・・という感じなのですが、淡々と日々を追っていくカメラワークと構成が素晴らしい。
そして、いろいろなことを考えさせられる映画でした。
人間の心の動きのこまやかさを浮き彫りにした秀逸さが光りました。

まだ少し細めの旭日松が、この当時から宴会部長っぷりを大いに発揮して、部屋を盛り上げ弟弟子を気遣う様子。
旭秀鵬の優しさも印象的。自分の入門当初の姿を弟弟子に重ね合わせて見ていたのでしょうか。
そして、言葉少ないながらも確かな存在感のある大島親方。弟子たちを思っての言葉。
大島部屋の一体感。

「大島部屋でよかったよ」と、入門したばかりの大串青年に声をかける旭日松。
「旭大星」という四股名をもらい、自分でもお気に入りで稽古場に名札をかけてから嬉しそうに眺める姿。それでも、日々をこなしていくうちに、自分の時間がほとんどない繰り返しの生活に疑問を持ち・・・。

結果的には、その4年後にもこうやって相撲を続けている旭大星さん。今、どんな気持ちで毎日を過ごしているのか。聞いてみたい気もします(笑)
大島親方の引退で友綱部屋に移籍し、早や半年近く。
ぜひこれからも頑張ってほしい、旧大島部屋の皆さんであります。

Jill Coulon氏のホームページに、映画「辛抱」関連の写真も盛りだくさんです。
ぜひ、ご覧になってみてください。
・映画 A NORMAL LIFEのページ
・相撲の話と写真

映像は今ならネットでも視聴可能。今のうち？(笑)
83分版を見るのは大変…という方には、ダイジェスト版（3分半）もアップされてますのでまずそちらをどうぞ。

↑今年の五月場所千秋楽の旭大星さんとテンホーさまです＾＾

【追記】

上記83分版のリンクが消えてしまった後、おそらく完全版？らしきものを見つけました。まだ見ていませんが・・・
消えてしまう前に見なくては(^_^;)
リンクはこちらです。


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