「Two World」日馬富士&Zaya展に行ってきました
まずはお恥ずかしいツイートからですが、興奮冷めやらぬうちにつぶやいたものなのでご理解いただければ・・・(^_^;)
自分への最高のクリスマスプレゼントでした。ご婦人が横綱の絵を見ながら「純粋な人だね」と話しているのが聞こえてきたのも嬉しかった。大盛況。私も絵はさすがに買えないのでハートセービングプロジェクトに心ばかりの寄付。素晴らしかった。 pic.twitter.com/U8JRyOs7Cn
— みしゅらん (@michelin692) 2015, 12月 25
絵によって、絵のパーツによってタッチも技法も違っていた。心の眼がある人。もはや「上手」という評価をする領域ではなかった。「父と私」「冬」「夏」を特に目に焼き付けた(三作とも非売品)
— みしゅらん (@michelin692) 2015, 12月 25
ゴッホを参考にした絵は「父と私」だった。でも横綱の絵はゴッホの鬼気迫るものと違い、どこまでも温かかったな。本当にお父様が好きで好きでたまらなくて、尊敬している気持ちが太陽の日差しの大きさから伝わってきた。太陽があくまで大きく、冷たい富士山(私=日馬富士)を照らし温める絵だった。
— みしゅらん (@michelin692) 2015, 12月 25
ちなみに日動画廊本店はソニービルのすぐ裏手というか隣のビルにあります。 pic.twitter.com/OArgzl6iHc
— みしゅらん (@michelin692) 2015, 12月 25
実は、日動画廊へ行くのは初めてでした。
日馬富士の作品目当てだとそうなってしまうのかも。もっとも、順番にそれほどこだわる必要はないけれど。
のっぺり、といっても富士山の麓へ近づくにつれて色調が変わっていく空。富士山の上には北斗七星と北極星がくっきり。他にも私がはっきりとはわからない星座が描きこまれていたのかも。
KUNIさんの3rdシングル「願い叶うなら」のジャケットに使われた絵にも北斗七星が描かれていましたが、なぜかどの絵を見ても夜空の場合は必ず北斗七星と北極星が(笑)可愛い(笑)
それにしても・・・ひとつひとつの筆遣いの迷いのなさ。思い切りの良さと繊細さを持つ、心のこもった絵。
日馬富士関は描きたい絵のタイトルを先に決めてその言葉を色にしていく。キャンバスには下書きはせず一番最初に空の色を決めて、その上に「ふじやま(※日馬富士関はそう呼ぶ)」の形の色をのせていくそうだ。この絵のタイトルは「春」。#日馬富士pic.twitter.com/9CFDMLDFxP
— スモートフォン (@azechiazechi) 2015, 12月 23
黄色い(!!!)背景にオレンジ色の富士山と麓、ピンクの桜!タイトルは「春」。
桜の花ひとつひとつ、花びらの一枚一枚を描き込んでいく横綱の姿を想像したら、ジンときてしまった・・・
あの熾烈で激しい土俵とは真逆の、暖かで華やかな世界。本人の本質的な明るさと優しさ、可愛らしさに溢れた一枚。
この絵の前に佇むだけで、幸せな気持ちに・・・いや、結構泣きそうになってたかも(苦笑)
何しろ、本人を目のまえにした時の、あの温かみのあるオーラと同じものを絵から受けていたようなものでしたから。
心ゆくまで「春」を堪能し、以下のツイート4枚目の画像の「夏」を見てまた衝撃を受けた。
Их аварга Харүмафүжигийн зурсан Фүжи уулын 10төрх бүтээлийг үзэсгэлэнгийн танхимд нь үзэх завшаан тохиох нь#АртАялал pic.twitter.com/2KrmWqhYi6
— Samandar Tsogtbayar (@satso999) 2015, 12月 19
色彩のパンチもさることながら、テクニックの多彩さに目を剥きました・・・
ナイフを使った富士山の荒々しい山肌に対する、手前の木々と空気の描き方。
揺るぎない富士山に対するかのように、左からの空気の流れが絶妙な筆遣いで表現されている。
驚いたのは、シミのようにところどころ赤でサシを入れていたこと。
ほんのわずかなサシだけれど、効果的。
幅広の刷毛状の筆をおそらく素早く上手く動かしながら描いたと思われる木々。
ここからしばらく動けず。緑はこの横綱になくてはならない色に感じた・・・
三枚目、「秋」。梅原龍三郎のような激しさも垣間見えるような色と絵の具の盛り上がり。しかし梅原までの自由奔放さはない。規律の範囲において激しさを込めたような・・・横綱という地位の厳しさを無意識に表出したような。現在進行形を思わせる何か。
もう一枚は、以下のツイート1枚目の画像右側に写っている「冬」。
あさチャンで流れた、横綱日馬富士の絵画展の様子。織田信成さんの驚きの表情がいいですね(^-^) #sumo pic.twitter.com/EBw5yfF4Wc
— くるくるおばけ@ブログ「大相撲取組内容」 (@kuru2obake) 2015, 12月 24
これは・・・最高傑作でした。
他の絵とも違った。どの絵もそれぞれに素晴らしいけれど・・・でも、この絵。
これぞ日馬富士、これぞ富士山。もっとも完成された姿、理想の姿がここにあった。
さらに言えば、この絵だけは富士山を完全に塗りつぶしていない。他はきっちり隅から隅まで描きこまれていたけれど。
対してこの絵では、下地の背景色がそのまま剥き出しとなっている部分もあり。
神懸かった何かがあったのではないか・・・
考えてみれば、絵画展の招待券に選ばれていたのも、この富士山でした。
おそらく、ご本人にとっても思い入れの強い一枚なのでは。
そして続く「お疲れ様です」「おはようございます」「おやすみなさい」(笑)
可愛い(笑)やはり富士山テーマの三部作。
見てきてまたひとつ気付くのは、どの季節の富士山であっても雪のかぶり方が一緒ということです(笑)
横綱にとっての「ふじやま」のイメージがあるのだろうな・・・と思いました。
心象風景としての、日馬富士にとっての富士山そして富士山を取り巻く風景が。
作品により、サインが違うのも興味深かった。HARUMAFUJIがおおまかに2種(カッコイイサインと可愛らしいサイン)、タテに「日馬富士」と書くサイン。色もいろいろ。暗い色からピンクまで!(笑)
大きな三部作から別の壁へと移ると、そこからは即売品。家にも無理のない大きさの作品が並んでいました。
富士山がテーマの作品、それに加えて色々なタイプの木をテーマとした作品。
この辺りを見ていた時に、近くにいたご婦人が「純粋な人だねえ〜」と横綱の絵を見ながら言っていたのでした。
嬉しかったな。
木は、横綱にとっても試行錯誤中のテーマなのでしょうか。なんとなく、そんな気がしました。
横綱の絵が終わったところで、再びZaya氏の作品数点登場。魚が泳いでいる不思議な絵は、この正面玄関を入って突き当たりの壁の裏手にあたる壁に展示されていました。
そして・・・以下のツイート1枚目の「父と私」。
Nスタで日馬富士の絵画展の話題。①日馬富士の絵。②~④絵を背に撮影に応じる日馬富士。 #sumo pic.twitter.com/VbqtWWHJeb
— くるくるおばけ@ブログ「大相撲取組内容」 (@kuru2obake) 2015, 12月 24
やっと正面エントランスに展示された作品を鑑賞。鶴瓶さんからもお花が届いてる・・・とか思いつつこの絵に目が行くと、題名を確かめまた絵を見て、また動けなくなってしまった。
この横綱にとって、どれだけお父様が偉大な存在だった(である)のか、どれだけ愛し愛される関係だったのか、子としてどれだけ尊敬していたのか、全てがこの絵に詰まっていました。
そして、そんな心を全開に表した絵のすぐ脇に、ハートセービングプロジェクトの募金箱が二つ置いてありました。
ひとつはほぼ満杯。もうひとつもかなりの募金がすでに(千円札がたくさん)。
「衣食住足りたら人のために尽くしなさい」
お父様の言葉を胸に刻んだ息子は、人のために尽くし続けています。
画廊を出ると、澄み切った東京の空が清々しかった。
ええ、帰りは正面口から出ました(苦笑)。
お時間ある方は是非。27日(日)は最終日、11:00〜18:00。日動画廊にて。
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コメント
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必ずいらっしゃって書いてくださるだろう、とお待ちしていました!
ありがとうございます!
私は油絵は全くやらないので、技術に関する説明、ご考察も大変興味深く読ませていただきました。
私も裏口入場組です!
初日のオープン10分前くらいに着いたら、地味な入口の前にすでに十数人並んでいて、ここ日動画廊ですよね?と確かめてそこで待ちました。
11時の鐘が鳴ってもドアが開かず、どうしたどうした!と言っているうちに、ようやくオープン。そこで裏口だったことに初めて気付いたのでした!
正面から入った人の方がもちろん多く、あっという間に老若男女で混み混みになりました。
そんなわけで、私は順不同、ともかく間近で見られる絵から始め、そして御同様に、『父と私』は、もう出ようとした時に発見! 釘づけになりました。
ゴッホの作品をモチーフに描いた『父と私』という絵がある、とネットニュースで知った時、私は『じゃがいもを食べる人々』みたいな絵を想像していました。(なんと!)
あの絵は本当に、「私」が全身をさらして「父」の光を浴びているようで、胸が熱くなります。
帰ろうとしていたのが、もう一度館内を一周せずにはいられなくなりました。
『冬』は私にとっても圧巻でした。あの富士山の角度、青空がそのまま富士に融け込んでいる神秘的な雄大さ。
しばらく他のお客さんのジャマになりながら、この絵の前に立ち尽くしていました。
そして『夏』の強烈に心に残る緑!
四季それぞれ素晴らしかったし、『お疲れさまでした』『おやすみなさい』にも私は魅かれました。
もし一日の終わりに『お疲れさまでした』を眺めていられたら、どんなに穏やかな心を取り戻せるでしょう。
安馬が入幕して最初の秋場所、芸術の秋、ということで、大相撲中継の中入り時間に、安馬が富士山を描きに行く、という特集が放送されました。
その前から趣味が絵であることは知っていましたが、まぁ、日曜画家的なことだろう、と思っていました。
NHKの車で富士山が見える所まで連れて行ってもらった青い甚平の安馬が、キャンバスにサッサッサッと下塗りをし、木炭か何かで富士山の線をスケッチし始めるのですが、その迷いの全くない手の動きに、これは毎日毎日絵を描いている人だ、とビックリし、思わずテレビにググッと近寄って見つめました。
その日から10年、この日を待っておりました。
画廊の人の話によると、横綱は当初、小品も全て売るつもりはなかったのですが、「画廊は絵を売る所なのだから」と話したところ、では全額ハートセービングプロジェクトに寄付をする、ということで小品を売ることになったのだそうです。
Zayaさんの絵も良かった。別の機会に彼だけの個展を開いてくれれば、と思います。
7回目の優勝からCD、個展…忘れられない年になりました。
投稿: いく | 2015年12月27日 (日) 10:16
匿名とかもうやめて、ちゃんと名前を書くことにしました(笑)
(一時期、いろいろとネットに怯えていたけど、実名でもないしねw)
本当に詳細な記事を有難うございます!!
絵心がなくても、素晴らしさは十分に分かります(*^_^*)
苦しいときに絵を描く、という横綱のその時その時の心境が如何ばかりだったかと思うと
きっと心が揺さぶられること間違いないですよね(涙)
満身創痍の中でも気持ちの強さは誰よりも大きく
だからこそ、誰よりも努力している横綱の気持ちをぶつけた絵は
本当に巧いとかそういう次元のものではないと思います!
心に直接訴えてくるものだと思います。
そして売りたくないのにボランティアのために、と決心した横綱の気持ち。
人のためならば、と譲りたくないくらいの魂のこもった絵を売ることに決めたというお話を聞いて
この方の素晴らしさがまた一段と理解出来ました(/_;)
私は相撲を見て日馬富士が好きになったけど
知れば知るほどに真っ直ぐで素直な人柄を、本当に尊敬できる方だと思います!
良い記事を、本当に有難うございました(*^_^*)
投稿: ルード | 2015年12月27日 (日) 11:58
私も記事に少し書きましたが、行ってきました! ホント、素晴らしかったですね!!
油絵って、水彩と違って、間違えても修正できるんですよ。でも、(素人の感想なのでレベル低くてすみませんが^^;;)あのサイズの背景をパーッと同じ色で塗るのは、やっぱりひと息ひと筆で塗らないといけませんし、すごいことだなと。むしろごちゃごちゃ色を入れるほうが優しいんですよね(あくまで私の場合は、ですけども)。富士の雪の部分やサクラなどよりも、背景に注目しちゃいました。
で、私も「冬」が最もステキだと思いました。しばらく眺めていました。
また是非開催してほしいですね。
投稿: 蒙御免(ごめんこ.うむる) | 2015年12月27日 (日) 19:04
いくさん>
私も油絵はむか〜しむかしに筆を握った程度です・・・(滝汗)
でもイタリアでフレスコ画やテンペラ画を描いてみたり、過去の画家たちの油彩や壁画に実際に触れる機会があったことは、多少なりとも肥やしになっているの・・・かな?なのか?(苦笑)
初日ですか!!!金曜日でも想像以上の入場者の多さにびっくりしていたのに、想像するにあまりあります。
実は絵画展を見に行く前に読んだ記事は「ゴッホをテーマにした作品がある」までしか読んでおらず、実際に作品を見て会場を後にしてから「そういえばゴッホって話あったよな・・・”父と私”かな」と気づいて、あらためてネットニュースを確認した次第です(^_^;)
だけどジャガイモを食べる人っていくさん!!!(笑)
あたたかい絵でしたね・・・思い出すだけで涙が出てきそうです・・・
四季も、言葉をあしらった絵も素敵でしたね。心が荒みそうになったら横綱の絵を思い出すことにします。
その安馬の中入り特集・・・この機会にゼヒ!!!中入りピックアップ願う!!!!!
横綱昇進後すぐの「アスリートの魂」でも、私はあの筆のスピードに度肝を抜かれました。あんな巨大なカンヴァスにサーっと水平に筆を動かし、あっという間に富士山の形が浮かび上がって・・・
画廊の方とはそうしたやりとりがあったのですね。
Zayaさんの絵、私も機会があったらまた是非見たい、と思いました。個展、実現して欲しいですね。
本当にここへきて信じられないような2ヶ月となりました。2度の休場がいっぺんに報われた年末でしたね。
投稿: 蒔右絵門 | 2015年12月27日 (日) 22:57
ルードさん>
まさに、日馬富士の相撲と同じく心に直接訴えかけてくる作品ばかりでした。
てらいのなさ。何事にも真摯な気持ち。
絵から絵へと足を運ぶたびに、何度も目を潤ませてしまいました・・・
横綱の行動ひとつで多くの命が救われ、多くの人が幸せな気持ちになれた五日間だったと思います。
私も当然ながら相撲から日馬富士に入れこんでいきましたが、知れば知るほど惚れ直してばかり、というかもう恐れ多くなるばかりです(^_^;)
こんな長い記事を読んでくださりありがとうございますm(_ _ )m
投稿: 蒔右絵門 | 2015年12月27日 (日) 23:06
蒙御免。さん>
いらしてたのですね!!!
そうですね、油彩は修正がききますが・・・技能派力士は絵の技能も尋常ではない、ということを目の当たりにした思いでした。
「アスリートの魂」の日馬富士特集、もう3年前のものですが、ご覧になられましたか?
横綱の筆遣い、驚異的なスピードです。全く迷いもなく、集中力が半端ない。見ていて腰が抜けそうになったのを覚えています(言い過ぎかな)。
「冬」、皆さんやはり同じように眺めていらしたのですね。あの迫力、忘れられません。
蒙御免。さん、近々入院されるのですか!?先ほどブログで拝見したところです・・・びっくりしました。
一日も早いご回復を心より願っております。
投稿: 蒔右絵門 | 2015年12月27日 (日) 23:14